2006年、薬事法が制定された1960年以来、およそ半世紀ぶりに改定が行われました。この改訂の目玉は、従来のドラッグスタに加えて、コンビニ等でも登録販売者と呼ばれる医薬専門家を置けば、第一類を除く一般用医薬品を販売することが可能になったことです。
国家予算のなかで医療費が占める割合は年々増加しており、今日では約半分にも匹敵しており、その抑制のため政府は様々な政策を実施しています。その中の一つが、今回の規制緩和です。安全性の高い医薬品ならドラッグストア以外でも販売ができるようにし、国民のセルフメディケーションを促進する形で、医療費を圧縮しようというわけです。
改正薬事法で新設されたのが、薬剤師に代わる登録販売者です。コンビニやスーパーは、その高い人件費がネックとなる薬剤師を配置しなくても、登録販売者がいれば、一般用医薬品も販売できるのです。ドラッグストアは、市場の拡大が期待できる半面、独占権を失うことにもなるので、損失面の方が大きいでしょう。
改正薬事法では、一般用医薬品を副作用のリスクが高い順に第一類から第三類に分類しており、第一類を販売できるのは従来どおり薬剤師に限っています。登録販売者を置くコンビニ等はそれ以外の第二・第三類の一般医薬品を販売することになります。
従来、コンビニとスーパー、ドラッグストアは主力商品が異なるため、住み分けができていました。しかし、今回の改訂でその垣根は取り払われました。どこでも一般用医薬品が替えることになれば、ドラッグストアにとっては大きな痛手です。そこで、マツモト・キヨシグループやイオン・ウエルシア・ストアーズグループを中心に、ドラッグストア同士のメガ再編が模索されています。